未病指標の活用実証事業

神奈川県の健康管理アプリケーション「マイME-BYOカルテ」に実装された「未病指標」は、生活習慣、生活機能、認知機能、メンタルヘルス・ストレスの領域から総合的に数値化した指標で、現在の未病の状態を「見える化」することができる画期的な取り組みです。

後述の前身事業である「未病指標の精緻化等に関する実証事業」の成果により、未病指標の信頼性・妥当性を検証するとともに、マイME-BYOカルテに将来の未病指標の変化を予測する未来予測機能を実装することができました。

2023年度は、未病指標の活用を通じた個人の行動変容や、企業・地域コミュニティ単位での健康増進への効果検証、健康介入効果の包括的評価への活用等を目的に、「未病指標の効果測定における活用実証事業」を県委託事業として実施しています。

本事業では、(1)未病指標の介入効果測定等に関する実証、(2)未病指標の活用促進に関する検証・助言─を実施します。これらは神奈川県みらい未病コホート研究の特色である介入コホート研究プラットフォーム※を活用して行われます。

※ 一般的にコホート研究は研究協力者の観察およびデータ収集のみ行い、人為的な介入が行われることは稀です。しかし神奈川県みらい未病コホート研究では、健康介入効果の測定を引き受けることのできる基盤を設けることで、協力者の負担を最小限に抑えつつ、詳細な背景や長期経過の収集といったコホート研究の利点を介入研究に活用することを可能としています。

研究期間(予定):2023年度(1年計画)
プロジェクト組織:成松宏人(リーダー)、渡邊亮(サブリーダー)、渡邉要(研究員)、中村翔(研究員)、チェイ・チョイ・ライ(研究員)
協力研究者:鄭雄一、徳野慎一、齋藤義信、小田原俊成

※未病指標に関する論文の詳細はこちらをご参照ください。

未病指標の精緻化事業

2019年度、神奈川県の健康管理アプリケーション「マイME-BYO カルテ」に実装された「未病指標」は、生活習慣、生活機能、認知機能、メンタルヘルス・ストレスの領域から総合的に数値化した指標で、現在の未病の状態を「見える化」することができる画期的なアプリケーションです。

2020年度〜2022年度にかけて、神奈川県の委託を受けて、神奈川県みらい未病コホート研究を基盤に実施した「未病指標の精緻化等に関する実証事業」の成果により、未病指標の機能を向上させ、これにより県民の効果的な行動変容を促すことができました。さらに、事業のなかで、WHOのICOPE ガイドライン(高齢者の心身の機能を管理するための地域レベルでの介入ガイドライン)に則ったデータを取得したことで、今後未病指標が国際的にも活用されることが期待されます。

研究期間:2020~2022年度(3年間)

・2022.7.21 未病指標の認知機能測定(Mini-Cog)に関する妥当性・信頼性の検証に関する論文発表を行いました。詳細はこちら